これって毛嚢炎!?毛嚢炎の原因と対策を専門家が伝授【画像付き】

「髭剃り後の赤いブツブツ何だろう…」「ニキビっぽいできものができた」など、髭剃りやムダ毛処理の後に起こる肌トラブルでお悩みの方も多いのではないでしょうか?
このせいで髭剃りがしにくかったり、肌荒れが悪化してしまったという人も多いでしょう。

このように、ムダ毛処理をした際に起こってしまう肌トラブルの一つが「毛嚢炎(もうのうえん)」です。
一見、ニキビと似ていますが、症状や原因は大きく異なりますので、正しい対処を行うことが大切です。

そこで今回は、「毛嚢炎」の症状や原因、対処法などについて解説していきます。

1.毛嚢炎(もうのうえん)はどんな症状?

毛嚢炎は誰にでも起こりうる症状と言われております。

「もしかして、これって毛嚢炎?」という心当たりのある方のために、毛嚢炎の特徴をまとめました。

1-1.毛嚢炎の特徴

毛嚢炎は肌にできるブツブツとした炎症で、赤みや中心部分に膿(うみ)を持っているのが特徴です。
特に髭のように毛が太く、濃い部位に起こりやすいとされており、その他にも胸、ワキ、太ももや陰部にできる傾向があります。

1個だけの場合もありますが、画像の様に数個~数十個が集まってできることもあります。

症状が軽いものならば特にかゆみや痛みはほとんどないと言われておりますが、悪化すると熱を持ったり、痛みを感じるようになることもあるそうです。
ごく稀に、さらに状態が悪化してしまうと、「深在性毛嚢炎」と呼ばれ、化膿した部分を手術で除去するケースもあります。

1-2.毛嚢炎の原因

毛嚢炎は、毛包という毛穴の内側の部分が傷つき、そこに菌が入り込むことで起きる炎症が原因です。

カミソリで髭を深剃りすると肌に細かい傷を作ります。
そこを不衛生な状態のまま放置してしまうと、雑菌が繁殖して炎症を起こします。
これが毛嚢炎になってしまう主な原因です。 

この原因となる菌は、黄色ブドウ球菌表皮ブドウ球菌と呼ばれています。
これらの菌は、誰しもが持っている常在菌で、黄色ブドウ球菌は鼻の中に生息し、表皮ブドウ球菌は全身の皮膚の角質のすき間などに生息していると言われています。

本来この2つの菌は、肌のバリア機能によって毛穴や皮膚の奥に行かないようになっています。
しかし、カミソリによる深剃りや逆剃りなどで皮膚にダメージが加わると、肌のバリア機能が弱くなってしまい、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌の両方が同時に感染してしまう場合もあります。

2.毛嚢炎はどういう時になるの?

先ほどお伝えした毛嚢炎の原因に、カミソリでの深剃りや逆剃りを例として挙げましたが、その他にも毛嚢炎を誘発させてしまう行為があります。

この章では、どういった行為が毛嚢炎を誘発させてしまうのかについて、ご説明していきます。

2-1.カミソリの刃が古い

男性であれば、髭やムダ毛処理にカミソリを使用している人が多いかと思います。
しかし、長い間使っていないカミソリには注意が必要です。

刃が古くなったカミソリは切れ味が悪く、古くなった刃は皮膚を引っ張ってしまうので、炎症を引き起こす可能性があります。

また、一度使用したカミソリには垢やシェービングクリーム、毛などが蓄積するため雑菌が増殖してしまう可能性があります。
見た目では分からないですが、古い刃のカミソリは皮膚を傷つけ、毛嚢炎を引き起こすこともありますので、使い捨てのカミソリであれば、57回使用したら交換するようにしましょう。

2-2.毛抜きの使用時

ムダ毛処理の際に使用されている方法の一つが毛抜きです。
毛抜きは体毛を根っこから引き抜くことができ、カミソリでのムダ毛処理よりも毛の再生を遅らせることができるほか、見た目の仕上がりも比較的キレイです。

しかし、毛を引き抜く際に毛穴は傷つき、肌へのダメージも大きくなります。
そこへ菌が侵入することで炎症を起こし、毛嚢炎となる場合があります。

毛抜きでのムダ毛処理はその他にも埋没毛などのリスクもありますので、おすすめはしません。

2-3.脱毛をした時

脱毛方法には大きく分けてエステサロンで行う光脱毛と、クリニックで行う医療レーザー脱毛があります。
毛嚢炎になりやすいと言われているのが、脱毛時の照射パワーが強い医療レーザー脱毛です。

本来毛穴には、先ほどご紹介した常在菌の、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌が存在しています。
そこに当てられるレーザーの熱によって、毛穴が殺菌されると同時に、肌のバリア機能も軽いダメージを受けます。
その際、ダメージを受けた毛穴に菌が入りこんでしまうと、肌のバリア機能が低下しているため毛嚢炎を引き起こしてしまう可能があります。

これは医療レーザー脱毛だけに限らず、可能性は低いと言われていますが、光脱毛でも毛嚢炎になることがあるので注意が必要です。

2-4.ステロイド外用薬の使用時

ステロイド外用薬には、炎症を抑える効果がありますが、その副作用として免疫力を低下させる作用があります。
そのため、細菌やウィルスに感染しやすくなり、毛嚢炎を誘発させてしまう可能性があります。

また、アトピーの方は表皮ブドウ球菌が普通の方よりも多く、ステロイド剤を処方されて使用していたりすると、毛嚢炎にかかりやすい傾向にあります。
痒くてアトピーをかいてしまうと、皮膚を傷つけてしまい、そこから菌が入る可能性もあります。

ステロイド外用薬自体は、用法容量を守れば問題ありませんが、間違った使い方や長期間使用することで正常な免疫機能まで抑制されてしまうリスクがあるため、注意が必要です。

2-5.乱れた食生活

直接的な毛嚢炎の原因にはなりにくいですが、食生活が偏っていると毛嚢炎を誘発させやすくなります。

例えば、外食ばかりで栄養バランスの悪い食事や、お菓子などの甘いものばかり食べていたりすると、肌荒れしやすくなります。
そのような食生活を毎日繰り返すと、結果的に皮膚の免疫力が弱まり、炎症が起こりやすい状態を作り出してしまいます。

2-6.ストレスが溜まっている

ストレスも直接的な原因にはなりにくいのですが、ストレスを溜め込むと体全体の免疫力が低下してしまいます。
体の免疫力が低下することで当然肌のバリア機能も低下してしまうので、いつも以上に肌がダメージを受けやすい状態になってしまい、毛嚢炎ができる可能性を高めます。

肌の働きを保つためにも、ストレスを溜めない生活を送るように心がけましょう。

3.毛嚢炎とは異なるが似た症状を紹介

肌トラブル原因菌発症元
毛嚢炎黄色ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌
毛穴
※毛包が傷つき、そこから感染することが原因
ニキビアクネ菌毛穴
※皮脂の影響で菌が増殖し、毛穴が詰まることが原因
汗疹(あせも)黄色ブドウ球菌汗管
※汗が通る道筋に菌が詰まることが原因
マラセチア毛包炎マラセチア菌(カビ)毛穴
※マラセチア菌の繁殖によることが原因

3-1.ニキビ

引用元:http://www.asc-men.com/face/case/index.html

ニキビは正式名称を尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)といい、見た目は毛嚢炎と似ていますが、ニキビの原因はアクネ菌であるため、毛嚢炎とは全く異なります。 

ニキビは皮脂が毛穴に詰まることが原因で発症します。
密閉された毛穴のなかでアクネ菌が増殖し、赤みや腫れをともなうのがニキビです。
ニキビは主に顔・背中・胸・お尻などにできやすいと言われています。

3-2.汗疹(あせも)

出典元:http://eczema.life-stylists.com/

あせもは、汗の通り道がふさがれて、そこに黄色ブドウ球菌などが感染すると起こる炎症です。
米粒大に赤く腫れ、搔くとさらにかゆみを伴い、悪化することがあります。

あせもは、汗や熱気、湿気がこもりやすい首まわり・ワキ・ひざの裏やひじの内側・お腹まわりなどにできやすいと言われています。

3-3.マラセチア毛包炎

出典元:https://yaho-hifuka.com/general/folliculitis.html

マラセチア毛包炎は、マラセチア菌というカビによって引き起こされます。
見た目は、ニキビよりもやや小さめな膨らみで、赤みがあり、軽度のかゆみを伴う場合が多いです。

マラセチア菌は皮脂を多く好むことから、汗をかきやすい背中の上部・胸部・上腕・肩などの場所にできやすいと言われています。

4.毛嚢炎ができてしまった場合の対処法

毛嚢炎は、軽度のものであれば、自然治癒で一週間もすると治ることが多いです。

それでも、数日後にイベントを控えているから早く治したいという人もいるでしょう。できてしまっている毛嚢炎を悪化させないために、今できる毛嚢炎の対処法をご紹介します。

4-1.患部を清潔に保つ

毛嚢炎の炎症を抑えるには、患部を清潔にすることが効果的です。
具体的には、患部をこまめに洗うことが良いでしょう。

ただし、毛嚢炎の部分を手でこすってしまうと、膿を潰してしまう可能性があるため、手では直接触れずに、石鹸の泡でそっと洗うようにしてください。

また、衣類が患部に触れないようにすることも大切です。

毛嚢炎ができてしまった部位が顔の場合は、寝ている間に枕カバーに触れる可能性があるため、枕カバーは毎日変えることが望ましいです。

4-2.病院で薬をもらう

薬局などにも毛嚢炎の市薬品が売られていますが、病院では毛嚢炎の原因や症状に合わせた、より高い効果が期待できる薬を処方してくれます。
また、これは毛嚢炎なのか?と自分で判断が難しい場合も、診察を受けることではっきり分かります。

自分で誤った処方を行うと、治りが遅かったり、逆に悪化してしまうということもあるので、病院に行って薬を処方してもらうことをおすすめします。

4-3.脱毛で毛嚢炎になったら通っているサロンやクリニックに連絡する

脱毛後に発症してしまった毛嚢炎は、脱毛してもらったサロンやクリニックにて相談をしてみると良いでしょう。
サロンには医師が常駐していないため、迅速な処置が期待できないことがありますが、クリニックには医師が常駐しているためすぐに対応してくれるところもあります。

また、クリニックによっては万が一、毛嚢炎になってしまった場合に無料で処置を行ってくれるところもあります。

肌が弱く、毛嚢炎が気になるという方は、こういった無料の保証が完備されているかどうかも脱毛サロンや脱毛クリニック選びにおいて重要なポイントです。

5.毛嚢炎の予防と対策法

これまで、できてしまった毛嚢炎の対処法をお伝えしてきましたが、正しい予防と対策を行うことで、毛嚢炎のリスクは軽減されます。具体的にどんな予防と対策法があるのかご紹介します。

5-1.肌を清潔に保つ

毛嚢炎の予防は、とにかく肌を清潔にしておくことが一番です。

シャツや下着をこまめに取り替えたり、通気性の良い衣類を身に着けるなど、皮膚を清潔に保つ事が大切になります。また、スポーツの後など、汗をかいた時には汗拭きシートを使用するなどして、すぐに汗や皮脂などの汚れを落とすことも重要です。

清潔にすることを心がけていれば、毛嚢炎のリスクは大幅に軽減されるでしょう。

5-2.寝具を清潔に保つ

寝具が不潔な状態であると、毛嚢炎を発生させるリスクが高まります。
可能な限り、寝具は日中に天日干しすることを心がけましょう。

また、枕カバーやシーツは汗や皮脂などの汚れが付きやすいため、こまめに洗濯をすることで菌の繁殖を押さえます。

寝具を清潔に保つことで、毛嚢炎を回避することができるでしょう。

5-3.カミソリや毛抜きの使用を控える

毛嚢炎のリスクを減らすなら、カミソリや毛抜きでの自己処理を控えることが一番ですが、仕事柄髭を剃らずにはいられないという人は以下のことを心がけましょう。 

・シェービング剤を必ず使用する
・毛の流れに沿って優しく髭を剃る
・髭剃り後は保湿を行う

毛抜きの使用は、毛を無理やり引き抜いているため、毛穴が広がる可能性もあり、毛嚢炎のリスクがかなり高くなるため、おすすめしません。

カミソリで剃るのは苦手という人は、電気シェーバーがおすすめです。
電気シェーバーでの髭剃りは刃が直接肌に触れないため、比較的肌に優しいといわれています。

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5-4.バランスの取れた食生活にシフトする

バランスの取れた食生活を心がけ、栄養素を取り入れていくことも、毛嚢炎の対策になります。
脂っこい食べ物やケーキなどは皮脂を大量に分泌させてしまい、肌荒れを起こしやすくなるため食べ過ぎに注意が必要です。

毛嚢炎の予防のためにも、野菜を取り入れた食生活を意識していきましょう。
また、免疫力を高めるビタミンCもおすすめです。

【ビタミンCを含む食材】
柑橘類ゆず・レモン・キウイ・イチゴ・グレープフルーツ
イモ類ジャガイモ・サツマイモ
緑黄色野菜赤ピーマン・ブロッコリー・芽キャベツ・パセリ
淡色野菜ダイコン・レンコン

ビタミンCを多く含むキウイやイチゴ、グレープフルーツなどの柑橘類、ジャガイモやサツマイモといったイモ類、赤ピーマンやブロッコリー、パセリなどの緑黄色野菜、ダイコンやレンコンなどの淡色野菜を多くとるようにしましょう。

もちろん、これらを食べたからと言って、必ず毛嚢炎にならないというわけではありませんが、ビタミンCには解毒作用があり、菌の繁殖を抑える効果があると言われています。

5-5.ストレスをため込みすぎない

日常生活でのストレスが原因で発症することもあるので、ストレスのない健康な生活を送ることは毛嚢炎の対策として有効です。
ストレスが溜まっているとホルモンバランスが崩れてしまい、肌荒れに繋がってしまうことがあります。

疲れたなと感じたら、湯船に浸かったり、いつもより早く寝る、程度な運動で体をリフレッシュさせ、ストレスをなるべく溜めないようにすることが大切です。

仕事や学校、忙しい毎日をお過ごしの方も多いと思いますが、この機会に日頃の生活を振り返ってみると良いでしょう。

6.まとめ

毛嚢炎は肌にできるブツブツとした炎症で、全体的赤く、中心部分に膿を持っており、誰にでも起こりうる症状です。

原因は様々ですが、以下の要因が挙げられます。

・カミソリでの深剃りや逆剃り
・カミソリの刃が古い
・毛抜きの使用
・脱毛によるもの
・ステロイド外用薬の使用
・乱れた食生活
・ストレスが溜まっている 

毛嚢炎にならないためには皮膚を清潔に保ち、バランスの良い食事を心がけ、ストレスを溜めないことが毛嚢炎の予防と対策になります。

万が一、毛嚢炎かも?と思ったら患部を清潔にし、自分で判断が難しい場合は病院へ診察を受けることをおすすめします。

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