「永久脱毛って聞くけど本当に永久なの?」
「永久脱毛ってどれほど効果があるの?」
こういったことに疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
確かに「永久脱毛効果」は「一度得たらずっと毛が生えて来ない」ものですが、注意しなければならないのは「全ての毛を一度に無くせるわけではない」ということです。
この記事では、永久脱毛というものがどういった効果で、どういった方法で得られるのか、そういったことをお伝えいたします。
永久脱毛を検討する上での判断材料にしてください。
目次
1.永久脱毛の効果とは
永久脱毛とは言葉の通り「永久的に毛を生やさない」効果のことを指します。
発毛に関わる細胞に熱を与えることで、毛を生やす機能を阻害し、その効果を与えます。
この効果は、実施する方法と毛の相性にもよりますが、どんな毛にも与えることができます。
ただし前述した通り、「一回の施術ではツルツルにならない」ので注意が必要です。
これには永久脱毛の仕組みや、人体の仕組みが関係しています。
複数回の施術を行うことで徐々に効果を増やしていき、最終的にツルツルにすることができます。
ここではその永久脱毛効果が、どのような仕組みで得られるのかをお伝えし、また、なぜ一度で全ての毛に効果を与えられないのかについても解説します。
1-1.永久的に毛が生えない効果
「永久脱毛効果」は永久的に毛を生やさない効果のことです。
永久脱毛効果は、毛を生やすための発毛細胞(毛乳頭細胞、毛母細胞、バルジ領域など)を破壊することで与えることができます。
発毛細胞の破壊は、高温の熱を与えることによって行われます。
熱を受けた発毛細胞は変質し固まるため、健全に機能を果たせなくなります。
(焼すぎた肉や卵を想像していただけると、固まったイメージが分かるかと思います。)
そもそも、毛が生えるメカニズムは以下のようなものです。
バルジ領域から発毛の命令が出る。
↓
毛乳頭細胞が毛細血管から栄養を受け、毛母細胞に与える。
↓
栄養を与えられた毛母細胞が細胞分裂をし、半分が角化することで毛になっていく。
発毛がこういった仕組みであるため、毛乳頭細胞や毛母細胞、バルジ領域などを破壊することで、毛が成長するのを止めることができるようになります。
人間の毛穴の数は約20万個と言われていますが、これは妊娠6ヶ月頃に決まり、その後増えていかないと考えられています。
(必ずしも全ての毛穴から発毛されるわけではないので、毛の濃さは発毛する毛穴の量で決まります。)
このことから、熱を受けた発毛細胞は再生することもなく、新たに毛穴や発毛細胞が作られることもないので、永久的な脱毛効果を与えることができます。
1-2.永久脱毛効果の程度
永久脱毛は、施術をした毛の60~80%の毛に効果を与えることができます。
効果を与えられる目安として、アメリカの2つの組織がそれぞれ「永久脱毛」の効果について、下記のように定義づけています。
米国電気脱毛協会(AEA)
脱毛施術を終え、1ヶ月経過したときの対象範囲のムダ毛の再生率が20%以下のもの。
国食品医薬品局(FDA)
3度のレーザー照射後、6ヶ月を経過したときの毛量が施術前より67%以上減っているもの。
2つの定義を見てみると、どちらも細胞が再生することや、複数回の施術が前提となっているのが分かるかと思います。
このため、すべての毛に永久脱毛効果を与えるためには、複数回の施術が必要になります。
一度に全ての毛に永久脱毛効果を与えられない原因は、2つの要因があります。
・発毛細胞の回復
・毛周期
発毛細胞の回復
高熱を受けた発毛細胞は組織が硬化し、代謝や細胞分裂を行うことができなくなります。
しかし、与えるべき高熱が何かしらの理由でぬるくなってしまい、発毛細胞を焼ききることができないケースがあります。
この場合、人体の再生能力により、一部の発毛細胞は毛を生やすための機能を回復させてしまいます。
このため、「全ての毛に確実に永久脱毛効果を与えられる」とは言いきれないのです。
どの程度の毛が脱毛効果を受けて、どの程度の毛が回復してしまうのかは、施術者の技能や個人の体質に大きく左右されます。
毛周期
一度に全ての毛に永久脱毛効果を与えられないもう一つの理由として、「毛周期」というものが挙げられます。
毛周期とは、毛の発毛段階を表すものです。
毛は、生えては抜けてを繰り返しているため、この毛周期が巡っていきます。
毛周期の中で、永久脱毛効果を与えることができるのは「成長初期」と「成長期」の毛だけです。
発毛細胞が毛穴の中にあるのが、この2つの時期だけであるためです。
そのため、永久脱毛の施術を一度行ったら、毛周期が巡るのを待つ必要があります。
毛周期の巡るスピードは、部位や個人によって大きく違うため一概には言えませんが、体であれば約2ヶ月、顔であれば1ヶ月半ほどで巡ると考えられています。
これらの要因により、永久脱毛効果は一度で全ての毛に与えることができないのです。
2.永久脱毛効果を得るための方法
永久脱毛の効果を得るためには「医療脱毛」という方法を受ける必要があります。
脱毛は体の一部である「細胞」を破壊するため、医療従事者でなければ行えない、と日本の法律で定められています。
医療脱毛には2つの施術があります。
「ニードル脱毛(針脱毛)」と「医療レーザー脱毛」です。
ニードル脱毛 | 方法 | 医療レーザー脱毛 |
医療用の針 | 使うもの | 医療用レーザー |
毛穴に針を挿入して発毛細胞に直接熱を与える。 | 熱を与える 仕組み | 毛にレーザーを当て、毛を通して発毛細部に熱を与える。 |
・毛穴1つ1つに施術するため、脱毛効果を与えやすい。 ・白髪や産毛にも脱毛効果が与えられる。 ・肌の色に関係なく施術できる。 | メリット | ・一度の照射で広範囲の毛に脱毛効果を与えられる。 ・面積の広い部位にも短い時間で脱毛効果を与えられる。 ・部位によっては痛みを感じない場合もある。 |
・広い範囲を脱毛しようとすると、時間も費用もかさんでしまう。 ・針を挿入して電気を流すので、非常に強い痛みが伴う。 | デメリット | ・白髪や産毛などには脱毛効果を与えられない。 ・黒色に反応するレーザーを利用しているため、日焼けなどをしていると施術できない。 |
ここではこの2つの方法についてお知らせいたします。
“医療脱毛以外の脱毛について”
「脱毛」と言うと、エステ脱毛やワックス脱毛(ブラジリアンワックス)、脱毛クリームや家庭用脱毛器など様々なものがありますが、医療脱毛以外のこれらの方法は、「脱毛」という言葉がついていますが、「永久脱毛効果」はありません。
これらの方法は一時的な除毛・減毛の効果しかないので、別の効果となります。
しっかりとムダ毛を無くしたい場合は、医療脱毛を選択すると良いでしょう。
2-1.ニードル脱毛(針脱毛)
毛穴に針を挿入して、発毛細胞に熱を与え、永久脱毛効果を得る方法です。
毛穴1つ1つに対して施術を行うため、広い範囲の脱毛を行おうとすると膨大な時間が必要になります。
また、針を挿入するだけ(刺すわけではない)ですが、非常に強い痛みが伴います。
120年以上の歴史があり、永久脱毛効果が立証されている方法です。
米国電気脱毛協会(AEA)が定める永久脱毛効果の定義において、その効果が認められています。
料金体系としては、「毛穴1つ500円」や「5分3,000円」など、本数や時間によって定められています。
広い部位を行うと数百万円などになってしまう場合も珍しくありませんので、医療レーザー脱毛では脱毛効果を与えられない白髪だけなど、限定された範囲で行うことをおすすめいたします。
“美容電気針には「永久脱毛効果」はありません”
「ニードル脱毛」と言っても医療脱毛以外のものもあります。
エステサロンでも「ニードル脱毛」という名前で打ち出している場合がありますが、エステサロンでは永久脱毛効果は与えることができません。
永久脱毛効果を得るためには「~クリニック」などの名前で探すと良いでしょう。
2-2.医療レーザー脱毛
黒色にのみ反応する特殊なレーザーを照射し、毛を通して発毛細胞に熱を与えます。
一度のレーザー照射で複数の毛に脱毛効果を与えることができるので、広範囲の脱毛を効率よく行うことができます。
広い範囲を短時間で脱毛できるため、現在は医療レーザー脱毛が主流な方法と言えるでしょう。
細胞を破壊するほどの熱を与えるので刺激を感じることもありますが、部位によっては痛み無く脱毛効果を得ることができます。
黒色に反応するレーザーを利用しているので、薄い毛よりも濃い毛の方が脱毛効果を与えやすいと言えます。
ニードル脱毛に対して、こちらは歴史が50年ほどと浅く、与える脱毛効果が本当に永久かどうかについては、未だに議論が重ねられています。
しかし、米国食品医薬品局(FDA)の定める定義において、永久脱毛効果があるとされています。
料金は、照射範囲と照射回数によって決められます。
「ヒゲ全体の脱毛5回で100,000円」「胸の脱毛6回で80,000円」などです。
ヒゲ全体の施術でも30~45分ほどで済むので、初めて永久脱毛を受ける方でも手軽に始めることができます。
ただし、産毛や白髪などには脱毛効果は与えられないため、確実に無毛にしたい場合は、ニードル脱毛も併用する必要があります。
3.永久脱毛を受けるなら医療レーザー脱毛がおすすめ
永久脱毛の効果を得る方法として、おすすめなのは医療レーザー脱毛です。
医療レーザー脱毛をおすすめする理由は3つあります。
・広範囲を短時間で施術できる
・全体的に薄くすることもできる
・費用も抑えられる
3-1.広範囲を短時間で施術できる
医療レーザー脱毛は一度の照射で複数の毛に永久脱毛効果を与えることができます。
レーザーの範囲は、脱毛機の照射口の大きさによって変わりますが、1回の施術は、ヒゲ全体で30~45分、上半身や下半身でも90分程で済みます。
永久脱毛効果を重ねるために複数回クリニックに通う必要はありますが、1回の拘束時間が比較的短く済むので、少ない負担で永久脱毛効果を得ることができます。
3-2.全体的に薄くすることも、デザインすることもできる
施術回数やレーザーの出力を調整することで、毛の薄さを調整することができます。
また、あえてレーザーを当てないことで、あごヒゲや口ヒゲなど、残したい部分の毛を脱毛せずに残すことも可能です。
男性の場合、足や腕の毛などがツルツルになることに抵抗がある方も居るでしょう。
濃いのが気になっている場合、イメージしている薄さに近づけることができます。
また、ヒゲの一部を残している方は、不要な部分の毛だけを脱毛することも可能です。
あごヒゲをライン状に残すことなど、細かいデザインにも対応できます。
3-3.費用も抑えられる
医療レーザー脱毛を受ける場合、5回の施術がセットになっているもので考えると、ヒゲ全体で10万円、全身脱毛だと30万円ほどが相場となります。
金額だけ聞くと高いように感じるかもしれませんが、剃毛する場合と比較すると、最終的には費用が抑えられることがよくわかります。
使い捨てカミソリ1つ50円、電気シェーバーの刃5,000円とし、40年間剃毛を続ける場合、以下のような費用になります。
方法 | 計算式 | 総額 |
医療レーザー脱毛 | ヒゲ全体(5回) 全身脱毛(5回) | 100,000円 300,000円 |
使い捨てカミソリ | 1日50円×40年 | 730,000円 |
電気シェーバー | 1年5,000円×40年 (+本体代) | 200,000円 (+15,000円ほど) |
毎日剃毛しないにしても、相応の費用がかかるのが分かるかと思います。
電気シェーバーの場合は、40年のうちに本体を何回か買い替える必要もでてくるでしょう。
このように、長期的な視点を持つと、医療レーザー脱毛がお得なことがわかります。
4.まとめ
永久脱毛の効果とは、「毛が生えてこなくなる」ものです。
しっかりと永久脱毛効果が得られると、基本的には生涯生えることはありません。
ただし、1回の施術ですべての毛に永久脱毛効果を与えられるわけではありません。
永久脱毛を与える仕組みや、発毛の仕組みである毛周期が関係しているためです。
永久脱毛効果を得られる方法は、「ニードル脱毛」と「医療レーザー脱毛」の2つだけです。
これらは日本の法律において、医療従事者でなければ行えない医療脱毛というものに分けられます。
ニードル脱毛はそれぞれの毛1つずつに対して施術を行うため、広い範囲においては時間がかかりすぎてしまいますが、白髪や産毛などもしっかり脱毛することができます。
医療レーザー脱毛は、広い範囲に短時間で永久脱毛効果を与えることができますが、黒色にのみ反応する特殊なレーザーを利用しているため、白髪や産毛には効果を与えられません。
初めて永久脱毛を受けるのであれば医療レーザー脱毛をおすすめします。
広い範囲の毛に対して効率的に永久脱毛効果を与えられるだけでなく、徐々に毛量を減らしていくことも可能ですし、何より長期的に見ると費用面でお得であるためです。
「永久脱毛」の効果は、そこまで単純に得られるものではありません。
永久脱毛の効果についてしっかり理解していただき、間違いのないように脱毛を受けてください。
参考
AEA(https://www.electrology.com/)
FDA(https://www.fda.gov/default.htm)
https://www.davideclinic.com/column/column25/
https://i-voce.jp/feed/13160/