「今朝ヒゲを剃ったのに夕方にはジョリジョリしている」「毎回時間をかけて剃っているのにツルツルになった感覚が無い」
ヒゲについてこういったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、ヒゲは体毛の中でも特に太くて根深い毛に分類されます。
そのため他の体毛と比較して、目につきやすく、また処理をするにも工夫や手間が必要になる場合があります。
では、このヒゲに対して、どのような対策が取れるのでしょうか。
そこで今回はヒゲの対策について取り上げます。
自分に合ったヒゲの対策方法を知るために、是非とも活用してみてください。
目次
1.早く伸びてしまうヒゲ(髭)の対策
気付けば伸びているヒゲに対して、どういった対策がとれるのでしょうか。
ヒゲの対策として考えられる方法は6つあります。
これら6つの対策にはそれぞれ特徴があり、求める効果などによって適した対策方法があります。
対策方法 | 効果 | 費用 |
深剃り | 除毛 | 安い |
抑毛ローション | 抑毛 | 安い |
家庭用脱毛器 | 除毛・減毛 | 少し高い |
エステ脱毛 | 除毛・減毛 | 少し高い |
医療レーザー脱毛 | 永久脱毛 | 高い |
ニードル脱毛 | 永久脱毛 | 高い |
ここではそれぞれの対策についてご紹介いたします。
1-1.深剃り
日常的に行っているヒゲ剃りに、少し手間や工夫を加えて、より深くヒゲを剃る対策です。
扱う道具によって必要な手順が変わります。
ここではT字カミソリと電気シェーバーそれぞれの道具ごとにお伝えいたします。
また、ヒゲの剃り方に関してはこちらの記事もご参考にしてみてください。
【ヒゲ(髭)を剃る正しい手順】肌トラブルを避けて清潔感を手に入れろ!
T字カミソリ
T字カミソリで深剃りをする場合、以下の点がポイントとしてあげられます。
・刃の多いものを使う
・ヒゲを柔らかくする
・逆剃りをする
それぞれを詳しく見ていきましょう。
●ポイント1―刃の多いものを使う
T字カミソリには1枚刃から6枚刃など、様々な枚数の種類があります。
基本的に、刃の枚数が多い方がよりお肌への刺激を軽減し、より簡単に深剃りできる傾向があります。
枚数が多くなるとヘッドが大きくなるので、小回りがききずらくなりますが、ヒゲの対策として深剃りする場合は枚数の多いT字カミソリを選びましょう。
●ポイント2―ヒゲを柔らかくする
冒頭で、ヒゲは体毛の中でも特に太いということをお伝えいたしました。
太いということは、それだけ毛がしっかりしていて、硬いということです。
そのままカミソリを当てては、刃の通りが悪いのはもちろん、お肌への負荷も強くなってしまいます。
お肌への負荷も軽減しつつ、より深剃りをするには、ヒゲを蒸らす必要があります。
蒸しタオルを使うと、ヒゲをしっかり蒸らすことができます。
蒸しタオルは、タオルを濡らして固く絞ったあと、電子レンジなどで30秒ほど温めることで簡単に準備することができます。
蒸しタオルを1~2分ほど鼻下やあごに当てれば、充分にヒゲを蒸らすことができます。
この状態であれば、しっかり深剃りすることができるでしょう。
シェービングフォームなどでもヒゲを柔らかくすることができますが、こちらはお肌の保護に重きを置かれているので、ヒゲをより深剃りしたい場合は、「ヒゲを蒸らす」という工程を挟むことをおすすめいたします。
●ポイント3―逆剃りをする
毛並みに逆らって剃ることを「逆剃り」と言います。
逆剃りをすることで、より根本に近い部分を剃ることができるので、深剃りをすることができます。
毛の流れは人や部位によって違いますので、まずは指でなぞるなどして自分の毛並みを把握すると良いでしょう。
逆剃りをする場合、ヒゲの抵抗が大きくなるので、お肌が弱い方などはヒリヒリ感が気になることがあるかもしれません。
そういった場合は、まずは毛並みに合わせてヒゲを当たって、それから逆剃りをするか、毛並みに対して45度ほどで逆剃りをするなど、少し工夫をすることで、お肌へのストレスを軽減しながら深剃りすることができるでしょう。
電気シェーバー
基本的にはT字カミソリの方が深剃りをしやすいとされています。
しかし、現実的な時間や肌質などの問題で、電気シェーバーを使いたい場合もあるでしょう。
電気シェーバーで深剃りをしようとする場合、2つのポイントについて考えましょう。
・シェーバーの種類
・ヒゲを立たせる
●ポイント1―シェーバーの種類
電気シェーバーは大きく3種類に分けることができます。
往復型、回転型、ロータリー型の3つです。
深剃りを意識する場合、しっかりとヒゲをキャッチする「往復型」がおすすめです。
往復型の電気シェーバーの場合、外刃で押し出したヒゲを内刃で刈り取るため、より根本に近い部分で剃ることができます。
ヒゲを掴んで刈り取るため、シェーバーは垂直に当て、ゆっくり滑らせるように動かすと良いでしょう。
●ポイント2―ヒゲを立たせる
電気シェーバーは、外刃で押し出したヒゲを内刃が刈り取る仕組みになっています。
そのため、ヒゲが立っている方がよりしっかりと内刃がヒゲを捕らえることができるため、ヒゲを蒸らして柔らかくするなどの手順は必要ありません。
ヒゲを効率よく捕らえるためには逆剃りが適しています。
電気シェーバーであればお肌への負担も少ないので、無理に押し付けるなどしなければ、最初から逆剃りをしても大きな肌トラブルに見舞われることは少ないでしょう。
また電気シェーバーで剃る際、お肌を引っ張ることでヒゲを立たせることができます。
片方の手で皮膚を引っ張ったり、顔を上げたりすることで、よりヒゲ立ちが良くなり、ヒゲを捕らえやすくなるでしょう。
効果
基本的な効果は普段のヒゲ剃りと変わらず、一時的な除毛となります。
しかし、工夫や一手間がかかっているので、普段のヒゲ剃りよりもしっかりと深剃りでき、いつもよりジョリジョリ感など軽減できるでしょう。
費用
現在使っているT字シェーバーや電気シェーバーと、家にあるタオルでできる対策のため、費用は水道代程度でしょう。
もしT字カミソリを新調する場合は1,000円前後、電気シェーバーは2万円前後が相場となります。
注意点
使い慣れている物の場合、刃が古くなっていないかを確認する必要があります。
もし、しばらく刃を交換してないのであれば、新しいものに交換する必要があるでしょう。
交換用の刃を購入する場合、複数個がセットになっているため、本体を購入するよりも費用がかさむ場合があります。
1-2.抑毛ローション
ローションを塗ることで、ヒゲの成長を抑制する対策です。
今まさに生えているヒゲに効果があるものではなく、これから生えてくるヒゲの成長に対して効果を与えます。
ヒゲの成長を徐々に抑制していくものであるため、効果を実感するには一定の期間が必要になることが多いです。
効果
一時的な抑毛効果になります。
毎日の洗顔後に抑毛ローションを塗ることで効果を得ようとします。
一時的な効果なので、ローションを塗らなくなると、また以前のヒゲの濃さに戻ります。
抑毛ローションと肌質や毛質が合えば、ヒゲが細くなり、普段のヒゲの処理が楽になります。
また、ヒゲの成長速度も遅くなるので、夕方のジョリジョリ感などが改善されることもあるでしょう。
費用
5,000~6,000円前後のものが一般的な相場です。
効果を持続させるためには、都度買い足す必要があります。
注意点
抑毛ローションの成分と、自分の肌質や毛質の相性が合わない場合、ほとんど抑毛効果を実感できない場合もあります。
また、効果を実感するまでに少なくとも1ヵ月はかかると言われますが、効果は個人差に大きく影響されるため、目安としてください。
1-3.家庭用脱毛器
黒い色素(メラニン)にだけ反応する特殊な光を使い、ヒゲにダメージを与える対策です。
光がヒゲに吸収され熱になることでヒゲにダメージを与え、ヒゲを徐々に細くしていきます。
効果
一時的な除毛・減毛効果です。
照射を続けることで、徐々にヒゲを細くしていき、成長を抑制します。
照射をやめると元の太さ、濃さに戻っていきます。
家庭で扱えるよう照射出力は下げられているので、ヒゲなどの太い毛の場合、効果を実感しにくい場合もあります。
費用
大手メーカーの平均を取ると、本体代は概ね45,000円ほどです。
照射できる回数や照射面積、最大出力などにより値段は変わります。
また、ヒゲなどの太い毛を照射する場合は、それ専用のオプションパーツを購入する必要があったり、照射を重ねていくと、カートリッジ(照射に必要な消耗品)を買い足すなど、本体以外にさらに10,000円ほど費用がかさむ場合もあります。
注意点
家庭で扱えるようになっているとはいえ、熱を扱うものなので、火傷などのリスクは伴います。
特に日焼けの程度によっては光がお肌にも反応してしまうため、火傷を誘発するリスクが高まってしまします。
万が一肌トラブルに見舞われても、家庭で行っていることなので自己責任となりますので、注意が必要です。
また、黒色に反応する光を使用しているため、白髪などには反応しません。
自分で照射を行うので、打ち漏れやムラなどのリスクも大きくなりがちです。
慣れるまでは照射を行うのにまとまった時間が必要でしょう。
1-4.エステ脱毛(光脱毛・フラッシュ脱毛・IPL脱毛)
エステサロンで契約をして通うものです。
家庭用脱毛器と同じように、メラニン色素にのみ反応する特殊な光を使ってヒゲの成長を抑えようとする対策です。
エステサロンで行っているもので、施術はエステティシャンが行います。
効果
一時的な除毛・減毛効果です。
光が熱に変換されてメラニンに吸収されることで、ヒゲにダメージを与えます。
仕組みは家庭用脱毛器と変わりませんが、使用している機械は業者用のものであるため、光の出力は高くなっています。
家庭用脱毛器よりは早い段階で効果を実感できることが多いようですが、こちらもエステでの照射を続けなければ、ヒゲの濃さや太さは元に戻ってしまいます。
費用
ヒゲの処理を楽にしようとするなら120,000円ほどです。
ヒゲをツルツルにしようとする場合は、施術回数も増えるので300,000円を超える場合もあります。
※首都圏大手5社
注意点
「脱毛」という名前がついていますが、実際には一時的な除毛・減毛効果しかありません。
日本エステティック振興協議会も、「エステティックサロンで行う美容ライト脱毛の範囲」において、「一時的な除毛・減毛であること」という内容を記載しています。
(参照:http://esthe-jepa.jp/pdf/bdatumo_jepa.pdf)
また、家庭用脱毛器と同じように、白髪などには効果を与えられません。
除毛・減毛効果を持続させるためには施術を受け続ける必要があるため、費用が想定よりもかさむ場合もあるので気を付けましょう。
1-5.医療レーザー脱毛
家庭用脱毛器、エステ脱毛同様に、メラニンにのみ反応するものを利用しています。
こちらは光ではなく「レーザー」が使用されています。
レーザーであれば、毛穴の奥深くにある発毛に関わる細胞(毛乳頭、毛母細胞)を破壊することができるため、本来の「脱毛効果(永久脱毛)」を得ることがでる対策です。
効果
永久脱毛効果が期待できます。
「永久脱毛」とは、体毛の発毛に関わる細胞(毛乳頭、毛母細胞)を破壊することで、体毛を2度と生えなくさせようというものです。
実際には「完全に生えなくなる」という意味ではなく、米国電気脱毛協会(American Electrology Association)は『最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下である脱毛法』が永久脱毛であると定義しています。
また、体の一部である細胞を破壊することから、脱毛は「医療行為」であると位置付けられています。
そのため施術を行うのは医師や看護師などの医療従事者となります。
費用
ヒゲの処理を楽にする場合は80,000円ほどです。
しかし、ヒゲを完全に無くそうと、ツルツルにしようとする場合は、200,000円ほどになります。
※首都圏大手クリニック5院
1回の施術はエステ脱毛などの方が安い場合が多いですが、医療レーザー脱毛であれば、施術を受けなくてもヒゲの太さや濃さが戻ることは無いので、総合的な費用は抑えることができます。
注意点
「脱毛」と聞くとすぐにツルツルになるのをイメージしがちですが、実際には「毛周期」などの関係により、複数回の施術が必要になります。
また、家庭用脱毛器やエステ脱毛よりも照射出力が強いため、強い痛みを感じやすいと言えます。
(医療機関であれば麻酔を使って痛みを軽減することも可能)
こちらも、家庭用脱毛器・エステ脱毛と同様に白髪などに効果を与えられません。
また、肌トラブルのリスクは付きまとうものですが、医療機関で行うものであるため、万が一の場合も適切な処置を期待できます。
医療レーザー脱毛でヒゲの対策を検討している場合は、こちらの記事もお読みください。
ヒゲのお悩み解消!医療レーザーが叶える理想的なヒゲ脱毛を徹底解説
1-6.ニードル脱毛(針脱毛)
毛穴ひとつひとつに針を挿入し、そこに微弱な電気を流すことで毛穴の奥底にある毛乳頭や毛母細胞を破壊します。
医療レーザー脱毛と同じように、これも医療従事者しか行えない方法です。
歴史は120年以上と古く、効果についてもしっかりと研究されています。
効果
ひとつひとつのヒゲに施術をするので、高い永久脱毛効果があります。
医療レーザー脱毛などと違い、日焼けしたお肌や白髪などにも効果を与えることができます。
広い面積を脱毛することには不向きですが、細かい所までヒゲ対策をしたい場合には効果的でしょう。
費用
料金体系として、「針1本いくら」と「施術時間〇分いくら」の2つがあります。
ヒゲの処理を楽にするだけでも400,000円程かかり、ツルツルにしようすると100万円を越えます。
※医療機関5院平均
ヒゲの本数が2万~3万本あることや、1つの毛穴の施術に3~6秒かかることを考えると、ヒゲ全ての範囲をニードル脱毛だけで対策しようとするのは、あまり現実的では無いと言えます。
注意点
現在では脱毛の主流ではなくなり、実施している医療機関はかなり減ってきています。
また、毛穴に直接働きかけるため、非常に強い痛みを伴いやすいと言えます。
時間や痛み、費用のことを考えると、ひとつの部位すべてをニードル脱毛で済まそうとするのは大変でしょう。
医療レーザー脱毛などで広く脱毛し、ニードル脱毛で仕上げをするのが、最も効果的なヒゲの対策です。
2.避けるべきヒゲ(髭)の対策
実は、一般的に「ヒゲの対策」として知られている方法の中に、「避けるべき対策」というものがあります。
ここではそれについてご紹介いたします。
2-1.ワックス脱毛・ヒゲを抜く
温めたワックスをヒゲに塗り、少し冷えて固まったワックスをヒゲごと剥がす対策です。
ヒゲは他の体毛と比べると、非常に太く、根深いため、ただ引き抜くだけでも毛穴やお肌に強い負荷とストレスを与えます。
引き抜くことでダメージを負った毛穴やお肌は、赤みや毛嚢炎など、様々な肌トラブルの原因となります。
このことから、ワックス脱毛(ブラジリアンワックス)を扱っている店舗でも、「ヒゲ脱毛は行っておりません」という注釈があるほどです。
同じ「引き抜く」対策として、指やピンセットでヒゲを抜くことも同様の事が言えます。
ワックス脱毛の場合は、毛穴を温めることで開き、多少は負担を軽減していますが、指やピンセットで引き抜く場合は、それすらされていないので、さらにリスクは高まると言えます。
また、毛根から抜けばヒゲは2度と生えてこないと思う方も多いですが、毛根を引き抜いても毛乳頭や毛母細胞は残るので、ヒゲはまた生えてきてしまいます。
脱毛効果は一切ないにもかかわらず、肌トラブルのリスクは高いので、ヒゲを抜く対策は避けるべきです。
ヒゲを抜くことの危険性については、以下の記事もご参考にしてみてください。
【癖になっていたら要注意】ヒゲ(髭)を抜くことで招きうるリスクの代表例と改善方法一覧
2-2.除毛クリーム
除毛クリームは、表面のヒゲを溶かすことで除毛効果を得るものです。
ヒゲなどの体毛は主にタンパク質で構成されており、除毛クリームにはこれを溶かす成分が多く含まれています。
しかしタンパク質で構成されているのはヒゲだけでなく、お肌も同じようにタンパク質で構成されています。
そのため、除毛クリームでヒゲや体毛を溶かす場合、お肌も強い刺激を受けることになります。
特に顔のお肌は、他の部位より薄くデリケートです。
そのため、除毛クリームの成分では刺激が強すぎるため、かぶれや痒み、赤みなどの肌トラブルを誘発しやすくなります。
また、独特の刺激臭があり、鼻や目を刺激することもしばしばです。
これらの理由により、除毛クリームはヒゲの対策としてはおすすめできません。
3.まとめ
ヒゲの対策として考えられる方法は6つあります。
・深剃り
・抑毛ローション
・家庭用脱毛器
・エステ脱毛
・医療レーザー脱毛
・ニードル脱毛
それぞれ特徴が違うため、自分のライフスタイルや求めている効果で選ぶと良いでしょう。
また、ヒゲの対策として適していない方法もあります。
それは「ワックス脱毛やヒゲを抜く」ことと「除毛クリーム」を使用することです。
どちらもお肌などに強い刺激を与えてしまうため、肌トラブルのリスクが高くなってしまいます。
ヒゲの対策として適している物の中から、自分に合ったものをチョイスして、しっかりと対策してみてください。